くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ジョイフル♪ノイズ」「カエル少年失踪殺人事件」

「ジョイフル♪ノイズ」 この手の音楽映画は「天使にラヴソングを・・・」が有名だが、嫌いなジャンルでもないので見に行きました。とにかく音楽はいいのです。冒頭、この物語の主人公たちが歌う聖歌隊のシーンで映画が幕を開ける。そしてそこで指揮をするク…

映画感想「捜査官X」「テルマエ・ロマエ」

「捜査官X」 カメラアクションを堪能させる中国アクション映画の秀作でした。大阪アジアン映画祭で話題になりシネコン公開になった一本である。主演は金城武、そして大好きなドニーイェン。1917年中国雲南省のとある村に物語が始まる。ここに十年前に移…

映画感想「ももへの手紙」「アンネの追憶」「少年と自転車」

「ももへの手紙」 父を亡くした主人公のももは母と二人で瀬戸内の小さな島にある実家へと帰ってくる。ももはそこで三匹のひょうきんなよう界に出会うのであるが、なんとかれらは天国へいくまでの父に家族の様子を伝える役目を持った妖怪たちだった。食いしん…

映画感想「ジョン・カーター」「コーマン帝国」「キリング・フィール

「ジョン・カーター」 SF界の巨匠エドガー・ライス・バローズの名作「火星のプリンセス」の映画化作品である。余りに名作故に今まで映画化が控えられてきたらしいですが、最新の技術がその実現に追いついたということらしいです。私は原作を読んでいないの…

映画感想「赤い天使」「タイタンの逆襲」

「赤い天使」 巨匠増村保造監督作品ですが、彼の名だたる名作群から一歩はずれたカリスマ的な作品で、完成度こそワンランク落ちるとはいえ、さすがに増村監督の女を描く視線の辛辣さには頭が下がる一本でした。物語は第二次大戦中、天津の前線病院に主人公西…

映画感想「関の彌太ッぺ」「Black & White/ブラック & ホワイト

「関の彌太っぺ」 今や死語になってしまった、男っぷりとか、気っぷの良さとか、粋、などというものがまだまだ人々を感動させていた頃の純粋に心に感動を呼んでくれる名作でした。6回も映画化されてこの作品が7回目ということですが、ラストシーンがとって…

映画感想「超能力者」「ビースト・ストーカー/証人」

「超能力者」 時間つぶしに見た友人が結構おもしろかったよということで、予定していなかった韓国映画ですが、見てきました。こじんまりしたSF映画で、この手の題材を扱ったアメリカ映画のような派手な娯楽作品にならずに、東洋的な人間の心理的な部分に視…

映画感想「新しき土」

デビュー間もない16歳の原節子が主演をしているという作品が突然、公開という話で、半分物珍しさで見に行きました。国際合作映画ということですが監督は日本の伊丹万作とドイツのアーノルド・ファンクの共同監督で、ものの本によると伊丹監督とファンク監…

映画感想「御誂次郎吉格子」

伊藤大輔監督の現存するフィルムのうちで最古の作品をみてきました。現存するバージョンも60分、79分、等何種類かあるようで、オリジナルである100分版はすでに存在しないということがものの本に書いてあります。今回みたのは79分版でほぼ現存する…

映画感想「別離」(イラン)「決闘の大地で」

「別離」 主人公で夫のナデルは果たしてラジエーという家政婦が妊娠していたことを知っていたのか?というミステリーの部分。ナデルとシミンの娘テルメーの家族の物語としてのドラマ。アルツハイマーであるナデルの父がなぜ事件の後、口を閉ざしてしまったの…

映画感想「たそがれ酒場」

「たそがれ酒場」とよばれるいわゆる大衆酒場に集まってくる人々をグランドホテル形式で描いていく群像劇ですが、これがなかなかどうしておもしろかった。古い映画はどこかひいき目にみているなと思えなくもありませんが内田吐夢監督作品でもありやはり一定…

映画感想「私の叔父さん」「ひかりのおと」

「私の叔父さん」 友人に勧められて見に行ったのですが、これが小品ながらなかなかの佳作でした。なんか胸にしみいるような感動がジンとくるんです。この感覚、とっても良かったです。登場人物たちの心の声が音になって画面からこちらに聞こえてくる。せりふ…

映画感想「ニーチェの馬」

前作「倫敦から来た男」で初めてタル・ベーラという監督の作品に触れ、その異常なくらいの長回しとワンシーンワンカットに、ストーリーを理解する暇もなくただただしんどい思いをした。しかし、その映像としての芸術性は唯一無二の至高のものは十分に感じら…

映画感想「バトル・シップ」

アメリカでは予想を下回って不人気だったという超大作SF映画ですが、そんなことはない結構単純に楽しめました。要するに、懐かしい西部劇の物語構成を踏襲したストーリーなのです。CGが発達し、次々と3D映画が反乱するようになると、次に求めるのは古…

映画感想「フラメンコ・フラメンコ」「第九軍団のワシ」

「フラメンコ・フラメンコ」 すばらしい。映画が映像芸術としての存在の一端を担うとしたらまさにこういう作品による表現を言うのであろう。一流のダンサーが、演奏者が、歌い手が奏でるスペインの民俗芸能であるフラメンコをまさしく、ライティングを駆使し…

映画感想「劇場版 SPEC〜天〜」

え?まだ続くの?というエンディングにちょっとまいった気がしないでもありませんでしたが、今回も堤幸彦ワールド炸裂!ということでとにかく楽しかった。テレビドラマ版、スペシャル版と続いての今回の劇場版。大好きな戸田恵梨香さんのすっとぼけた演技と…

映画感想「ピナ・バウシュ 夢の教室」「海燕ホテル・ブルー」

「ピナ・バウシュ 夢の教室」 ベルリン映画祭で絶賛された世界的舞踏家ピナ・バウシュが十代の少年少女たちを集めて代表的作品「コンタクトホーフ」を完成させるまでのドキュメンタリーです。ドキュメンタリーは見ない主義ながら、仕事と時間の関係でタイミ…

映画感想「KOTOKO」「ルート・アイリッシュ」

「KOTOKO」 映像表現には様々な方法がある。そして映画は基本的に映像として昇華されたときにその完成度の頂点になると思うのです。頂点に到達することで名作、傑作と呼ばれるのではないかと思う。この「KOTOKO」という映画、一つの映像表現とし…

映画感想「キリング・ショット」

物語の組立と切り替えしは非常におもしろいのですが、いかんせんそれぞれのシーンでの登場人物の会話がちょっとしつこすぎる。そのために全体にスピード感がでてこなくて、せっかくのフラッシュバックによる過去と現在、真相とフェイクのサスペンスフルなお…

映画感想「アーティスト」

一つ一つ数え上げていられないほど緻密なディテールにこだわったせりふ、シーン、そして演出。その細やか過ぎるほどの徹底した映像作りがひとつのストーリーを積み上げていく様はまさにこれがアメリカ映画ではなくヨーロッパ映画であるという息吹を感じさせ…

映画感想「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」「アリラン」

「センター・オブ・ジ・アース 神秘の島」 第一作を見ていたから見に行った程度の勢いでした。期待もしていないし、好きな俳優さんもでていない。好きな監督でもない。しかも字幕で見ようとしたら近くなら3Dしかないという最悪の条件で、掘り出し物目当て…

映画感想「ドライヴ」「父の初七日」「セックス・ジャック性戯」

「ドライヴ」 監督はデンマーク出身で本作でカンヌ映画祭監督賞を受賞したニコラス・ウェンディング・レフンという人。おもしろそうな内容だし、大好きなキャリー・マリガンも出ているので期待の一本でした。とってもシャープでクール、しかもモダンなフィル…

映画感想「風花」(相米慎二)

相米慎二監督の遺作になった作品です。 風俗で働くゆり子と公務員で、酒の失敗で週刊誌で騒がれ首になった廉司のロードムービーというスタイルの映画で、相米慎二監督ならではのファンタジックなシーンを取り混ぜながらも円熟期と呼べるような安定した落ち着…

映画感想「スーパー・チューズデイ〜正義を売った日〜」

一つ一つのプロットがオーバーラップするように組み立てられた見事なストーリー展開でぐいぐいと引き込まれる一級品の政治サスペンス映画でした。おもしろかった。一人の男スティーヴンがこれから行われるオハイオ州の大統領予備選挙演説の準備のため舞台の…

映画感想「果てなき路」「断絶」

「果てなき路」 モンテ・ヘルマン監督21年ぶりの新作ということですが、正直、モンテ・ヘルマン監督の知識については皆無と言っていいのです。さて、映画ですが、エンドタイトルの後に真実の物語であると終わるところから、そのなの?と思う。めくるめく現…

映画感想「ヘルプ 心がつなぐストーリー」

これは本当に良かった。今年見た新作映画の中でいまのところベストワンと言える映画に出会いました。胸を打つ感動、しっかりと伝わるメッセージ、さわやかなほどの爽快感、散りばめられるユーモア、そして素敵な俳優さんたちの演技、笑い、どれもがとっても…