くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「イノセント・ガーデン」「明日への盛装」「愛染かつら」(

「イノセント・ガーデン」 非常にスタイリッシュで上品に作られたサイキックホラー映画でした。映画がはじまってからエンドタイトルまで、一時も目が離せないほどに緻密に作り込まれたなまめかしい映像感覚に、陶酔感を通り越して、見終わってからぐったりと…

映画感想「俺俺」「白い魔魚」

「俺俺」 三木聡監督作品ゆえに、いつものメンバーが脇を固め、いつものナンセンスな映像がちりばめられているが、今一つ迫力がないのはやはり主演に持ってきた亀梨がすっきりし過ぎているせいだろうか?がんばっているが、ちょっと物足りない気がしないでも…

映画感想「アンチヴァイラル」「チャイルドコール呼声」「隣人ネクス

「アンチヴァイラル」 ディヴィッド・クローネンバーグ監督の長男ブランドン。クローネンバーグ監督の長編第一作として話題の一本。 なのだが、どこか、シュールな世界をはき違えている気がする。万全の体調で見始めたにも関わらず、陶酔感を通り越して、眠…

映画感想「集金旅行」「くちづけ」(宅間孝行原作)

「集金旅行」 中村登監督代表作の一本。コメディタッチで軽快に展開するロードムービーである。とにかく、テンポが非常によくて、たわいのないお話ながら、古き日本映画の良さがふんだんにちりばめられているのがとっても楽しい。開巻、競輪場から物語が始ま…

映画感想「古都」(中村登監督版)「プレイス・ビヨンド・ザ・パイン

「古都」(中村登監督版) すばらしい。目の保養をさせていただいた。本当に心が洗われるような文芸映画の傑作に出会いました。岩下志麻がとにかく目の覚めるほどに美しい。そのうえ、双子の姉妹を見事に演じ分ける演技力にうなってしまいます。これが名作、…

映画感想「セレステ∞ジェシー」(セレステアンドジェシー)

不思議な空気のある映画です。めまぐるしい会話の応酬、ハイテンポで切り替わるシーンからシーンのリズム、落としどころが見えにくいストーリー展開。でも、どこか切なくて、どこかものすごく純粋で、そして、何かを考えさせるラブストーリーの秀作、それが…

映画感想「中学生円山」

何の脈絡もない支離滅裂な展開と、ナンセンスギャグがちりばめられたクドカンワールドが炸裂する一本であるが、いかんせんその異世界の中にも一本筋が通っていないと作品にまとまらない。今回はその一本通った筋が作品を締めるまでのバランスが妙にちぐはぐ…

映画感想「きっと、うまくいく」

連続ドラマをほとんどカットせずにすべてつないだような、見せ場の連続の楽しい映画でした。本国ではもっと長いのでしょうか?インド映画得意のダンスや歌のシーンがほとんどないのは、ある意味で違和感さえ覚えてしまいました。とにかく楽しいしおもしろい…

映画感想「美女と怪龍」

ハイレベルな映画というのは、そのワンシーンワンシーン、俳優の一挙手一動をみているだけでも飽きることがない。そういう作品にまたであいました。歌舞伎十八番「鳴神」をもとに新藤兼人が脚本を書き吉村公三郎が監督をした作品で、縦、横、斜めの立体的な…

映画感想「孤独な天使たち」「クロユリ団地」

「孤独な天使たち」 「ラスト・エンペラー」などの大作で巨匠の名をほしいままにしたベルナルド・ベルトルッチ監督が久しぶりに放った作品は、まるで駆け出しの頃に戻ったような青春映画の小品でした。重病で車いす状態の彼が、9年間の沈黙の後に映画を作っ…

映画感想「愛さえあれば」「モネ・ゲーム」

「愛さえあれば」 美しい大人のラブストーリーの秀作でした。それに、色彩演出が美しくて、ヨーロッパの監督らしく青、赤、黄色の原色をちりばめた画面づくりがとってもおしゃれで、スタイリッシュなのです。特にフィリップの基調色となるブルーが画面の至る…

映画感想「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」「県庁おもてな

「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」 テレビスペシャル以上、映画未満の薄っぺらいけど軽いドラマが展開するのは第一作同様。これというほどの奥の深いものはないが、どたばたの中に見せるちょっとしたサスペンスがこの物語の魅力であるからこれもま…

映画感想「加藤隼戦闘隊」

「ハワイ・マレー沖海戦が太平洋戦争開戦一年後のまだまだ戦果が上向きだった頃の作品であったのに対し、この「加藤隼戦闘隊」は1943年、戦果が下降し始めた時期の作品である。「ハワイ・マレー沖海戦」のスタッフをそろえ、軍神とあがめられた加藤健夫…

映画感想「ハワイ・マレー沖海戦」

死ぬ前にスクリーンで見たい映画の一本「ハワイ・マレー沖海戦」をとうとう京都文化博物館で見ることができた。監督は黒澤明の師匠で、娯楽映画の名匠山本嘉次郎監督である。太平洋戦争開戦一年後の記念映画として完成されたこの作品は、押しも押されぬ戦意…

映画感想「ヒステリア」

とっても色使いが美しい。物語は宣伝文句とはほとんど関係のない展開ですが、最近よくあることなのでそこは目をつぶる。映画としてはふつうの作品だったと思います。19世紀イギリスが舞台。女性のヒステリーが一種の病気と考えられ、まだまだ細菌という意…

映画感想「恐怖と欲望」

スタンリー・キューブリック監督が、自らアマチュア作品だと位置づけ封印した幻のデビュー作を見ることができました。完璧主義者であるキューブリックが、習作として位置づけたのかもしれませんが、彼独特の一点透視図法による画面により、奥の深い構図がそ…

映画感想「ウィ・アンド・アイ」「ブルーノのしあわせガイド」

「ウィ・アンド・アイ」 監督の映像センスが作り出す不思議で、どこか甘酸っぱくなるような青春ストーリーの秀作。いや、ストーリーというほどのものがないから、感性のみで描かれた一瞬の時を描いた映像作品という方が正しいかも入れない。監督はミシェル・…

映画感想「ビトレイヤー」

さすがに、製作総指揮がリドリー・スコットだけある。非常にシャープでスタイリッシュな映像がファーストシーンから観客を引き込んでくれます。物語も、練り込まれすぎているのではと思えるほどに複雑に絡み合い、まるで近未来の映画のようにモダン。幾何学…

映画感想「L.A.ギャングストーリー」

久しぶりに一級品のフィルム・ノワールを見た気がします。多彩なカメラテクニック、感性豊かなカメラワーク、カメラアングルを縦横無尽に駆使した映像。そして、シンプルなストーリーに丁寧に書き込まれた脚本の妙味。しかも、映画の本質である娯楽性もおろ…

映画感想「ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜」

素朴な自然と、命の躍動感が映像詩という形になってスクリーンの中で踊っている。こういう映画が存在することが、そしてそれを見ることができたことが至福の喜びになるような映画でした。手持ちカメラの揺れる画面が最初から最後まで、これと言った物語もな…

映画感想「図書館戦争」「アイアンマン3」

「図書館戦争」 最初にこの映画の弱点、弱さを書きたい。 必要ない台詞、シーンをすべて最初からどんどん露出させていく低レベルの脚本と、薄っぺらな人物描写で、余りに安っぽく展開する前半部分が稚拙。そのため、導入部から後半に至るまでがまどろこしい…

映画感想「17歳のエンディングノート」

ダコタ・ファニングが薄幸の少女になって、人生の最後をめいっぱい生きようとするよくある前向き映画。その印象で見に行ったら、本当にその印象のまま立った普通の映画だった。いや、いまさらという展開にさすがに、まいったかな。ダコタ・ファニングは子供…

映画感想「オデット」

ちょっと不思議でサスペンスフルなラブストーリーと言うべきか、そのストーリー展開のオリジナリティに引き込まれる作品でした。監督はジョアン・ペドロ・ロドリゲスという人です。濃厚なキスシーンのアップから映画が始まります。カメラが徐々に引いていく…

映画感想「フリア よみがえり少女」「ロイヤル・アフェア 愛と欲望

「フリア よみがえり少女」 最初から最後まで思わせぶりなシーンが続くが、結局、どこへ行き着くものもなく、ラストシーンを迎えるという、なんとも緩慢なホラー映画でした。二時間足らずというのに後半はしんどかった。物語が動き出すまでが非常に長く、動…

映画感想「ラストスタンド」「モンスター」

「ラストスタンド」 アーノルド・シュワルツネッガー復帰作品ということで、今更アクション映画ってことなのだが、まぁ、なにも考えずに派手な銃撃戦を楽しむ一本。気楽な娯楽映画でした。 監督は「悪魔を見た」の韓国のキム・ジウンです。香港映画のような…