くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2019-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「毒戦 BELIEVER」「WEEKEND ウィークエンド」

「毒戦 BELIEVER」 ジョニー・トー監督作品のリメイクなのですが、やはり韓国映画になれば色合いも何処か暗くなるのは否めない。お話は面白いし退屈しないのですが、割り切り感がなくて、変に薄っぺらく仕上がった感じでした。監督はチョン・ソギュン。 オ会…

映画感想「ジョン・ウィック パラベラム」「ジョーカー」

「ジョン・ウィック パラベラム」 このシリーズの中で一番面白かったです。多彩な格闘戦が面白いし、画面が美しいし、スタイリッシュでスピーディ。物語はよくわからないというより単純そのものに徹しているので、シンプルに楽しめます。監督はチャド・スタ…

映画感想「ヘルボーイ」(2019年版)「悪の華」

「ヘルボーイ」 ギレルモ・デル・トモ版の再映画化。物語の展開はスピーディだし、映像も作り込まれていて面白いのですが、いかんせん手足が飛んだり人体がちぎれたり首が飛んだりとグロテスクなシーンは多すぎて、その意味では下手なホラー映画よりもグロか…

映画感想「サラブレッド」「ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち」

「サラブレッド」 シュールでスタイリッシュなサスペンスなのですが、物語がラストに向かって収束していかないので、途中でだんだん眠くなってしまった。アニヤ・テイラー=ジョイの存在感で引っ張っていく感じの作品でした。監督はコリー・フィンリー。 大…

映画感想「ホテル・ムンバイ」「浅草の肌」

「ホテル・ムンバイ」 人間というのはなんと愚かな生き物だろうというのを目の当たりにする。自分たちが作った神に振り回されて、容赦無く同じ人間を撃ち殺していく。この物語のテロリストの少年たちはなんの躊躇もなく命令されるままに人に銃弾を浴びせる。…

映画感想「パリに見出されたピアニスト」「宮本から君へ」

「パリに見出されたピアニスト」 映像リズムのセンスが抜群なのか、オープニングからラストまで一気に駆け抜ける勢いでテンポよく展開するストーリーが素晴らしい。しかも、背後にあるのはピアノのクラシック曲なのだから、これはもう感性がいいとしか言いよ…

映画感想「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」(ウエスタン)オリジナル完全版

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」 死ぬまでにスクリーンで見たい映画の一本をようやく見ることができた。しかも完全版。こういう、映画らしい映画、大作らしい大作がどうして消えてしまったんだろうと思う。映画を見たという感動に浸るこ…

映画感想「見えない目撃者」「アイネクライネナハトムジーク」

「見えない目撃者」 韓国映画「ブラインド」のリメイク作品。流石に韓国映画らしい神経を逆なでするような展開と残虐シーンがそのまま再現されています。前半は謎解きのサスペンス、後半は殺人者に追われるホラー映画の様相で退屈はしませんが普通の映画だっ…

映画感想「ある船頭の話」「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」

「ある船頭の話」 俳優の監督作品にしては恐ろしいほどのクオリティの高さに圧倒されてしまいます。クリストファー・ドイルのカメラも素晴らしいですが、ビシッと決まった構図、カメラワークの美しさとリズムに息を呑みます。ただ、残念なのは台詞の弱さ、時…

映画感想「夜の蝶」「おいしい家族」

「夜の蝶」 流石にしっかり作られた大人のドラマに圧倒されます 。冒頭の銀座の夜の街の描写から、時の日本の世相を映し出して物語の本編に流れる導入は、やはり職人技です。そして展開される女同士のドロドロしたドラマは、大人の世界です。解説にあるほど…

映画感想「アド・アストラ」「初恋ロスタイム」「葬式の名人」

「アド・アストラ」 何を描きたかったのかよくわからない作品でした。父と子のドラマを描くのか、宇宙の神秘を描くのか、何故舞台が宇宙空間なのか、何故太陽系の辺境での話なのか、結局つかめませんでした。ただ、宇宙空間のみに近い話なので息苦しかった。…

映画感想「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝ー永遠と自動手記人形ー」「いなくなれ、群青」

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝ー永遠と自動手記人形ー」 京都アニメーション応援のために見に行きました。映画としては普通の出来栄えでした。正直退屈でした。絵は美しいのですが、ストーリーテリングや演出面が平凡。監督は藤田春香。 良家の子…

映画感想「サタンタンゴ」

「サタンタンゴ」 7時間18分の超超大作。なるほど傑作である。映像の展開、構図の組み立て、ストーリー構成の絡み合せなど、かなりのクオリティの映画だと思います。ではどんな筋かと聞かれても答えられないのは、どこか心象風景的な演出になっているからで…

映画感想「記憶にございません!」「僕のワンダフル・ジャーニー」「マイ・ビューティフル・ランドレット」

「記憶にございません!」 三谷幸喜監督久しぶりのスマッシュヒットやね。面白かった。前半、もうちょっとキレが欲しいかなと思ったけど、次第に三谷節のテンポに乗ってきたので、いつの間にか入り込んで行きました。 病院のベッドで映画は幕を開ける。寝て…

映画感想「帰れない二人」「Tommy/トミー」

「帰れない二人」 ジャ・ジャンクー監督というのは独特の映像感性があるなと感心します。オープニングのドンドンというテンポで何やら不思議な感覚に引き込まれます。物語は男と女の愛の話のようで人生の物語のようなのに、どこか寓話的な色合いも見せてくれ…

映画感想「人間失格 太宰治と3人の女たち」「プライベート・ウォー」

「人間失格 太宰治と3人の女たち」 実話を基にしたフィクションですが、全く蜷川実花監督は映像センスも色彩センスも演出力もないなと思う。色の配分は素人レベルで、全く美しくない。奇抜なCGを使いたいのはわかるがそれが生きていない。芸達者を揃えている…

映画感想「影の抱かれて眠れ」「台風家族」「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」

「影に抱かれて眠れ」 ついになんばパークスで一人鑑賞!とそれだけがこの映画を見た値打ちという感じでした。物語がてんこ盛り過ぎて、何を中心に見るのか全くわからなかった。監督は和泉聖治。 冬樹、信治、正人の三人がキャッチボールをしているシーンか…

映画感想「荒野の誓い」「スタートアップ・ガールズ」

「荒野の誓い」 これは素晴らしい作品でした。映像の美しさ、ストーリーの重厚さ、映画としてのシーン作りのうまさが見事。久しぶりに映画らしい映画を見た感じです。監督はスコット・クーパー。 一人の男が家の前で作業をしている。かなたから近づいて来る…

映画感想「タロウのバカ」「櫻の園」「遠雷」「ロックよ、静かに流れよ」

「タロウのバカ」 全く日本は平和だなと思う。好き放題に生きて自暴自棄になっていても食っていけるのだから。一見、若者たちの無謀な生き方を描いたようで、その反面部分が見え隠れしてしまいました。監督は大森立嗣。 一人のヤクザが障害者を集めて金を稼…

映画感想「ベニスに死す」「アス」

「ベニスに死す」 何回見たことだろう。ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作にして大好きな映画の一本。何度見ても素晴らしかった。絵の美しさ、構図の見事さ、映像のリズム、老いていく主人公の心の叫び、若さへの憧れ、この歳にして新たな発見がたくさんあり…

映画感想「SHADOW 影武者」「アンダー・ユア・ベッド」「ラスト・ムービースター」

「SHADOW影武者」 反逆の繰り返しと権力者の入れ替わりの連続という中国の歴史を縮図にしたような作品でした。荒唐無稽な武器が登場したり、奇抜な戦略シーンなど典型的な中国武侠映画ですが、どこかスケールがこじんまりしているように見えるのは、「三国志…

映画感想「トールキン 旅のはじまり」「ゴーストランドの惨劇」

「トールキン旅のはじまり」 「指輪物語」の原作者J・R・R・トールキンの半生を描いた作品ですが、真面目な映画で特に優れた何かを狙ったものでもありませんでした。彼の作風の源が見えなかったのはドラマ的に不十分だったのかもしれません。監督はドメ・カ…

映画感想「桜の森の満開の下」「写楽 Sharaku」

「桜の森の満開の下」 坂口安吾原作の伝奇ホラーですが、物語の展開のリズムが悪いのと若山富三郎がミスキャストで、どうにもしんどい映画でした。桜吹雪を巧みに使った様式美の世界は美しいのですが、都のシーンがいかにもスケールが小さくて全体が小さくな…

映画感想「やっぱり契約破棄していいですか?」「北の果ての小さな村で」

「やっぱり契約破棄していいですか?」 面白い展開なのに、要所要所の詰めが雑なために、物語全体が甘い仕上がりになってしまったのが本当に残念。監督はトム・エドモンズ。 自殺の名所の橋の上で一人の青年ウィリアムが今にも飛び込もうとしている。そこへ…

映画感想「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 なんともつかみどころがない映画でした。クエンティン・タランティーノ監督はもうちょっとキレが良くて最初から引っ張り込んで行くようだった気がしますが、ちょっと、前半はダラダラ感が気になりました。…

映画感想「ブラインドスポッティング」「引っ越し大名!」「ガーンジー島の読書会の秘密」

「ブラインドスポッティング」 思いの外いい映画でした。ありきたりの展開を次々と覆していくテンポの良さが作品に深みと厚みとユーモアを生み出していく。それでいて、どこか胸に迫ってくるあったかいものを感じられる作品でした。監督はカルロス・ロペス・…

映画感想「ペット2」「東京裁判」(4Kデジタルリマスター版)

「ペット2」 前作も大したことはなかったが、今回も時間つぶしに見に行った。一作目よりは面白かった。マックスたちの農場での話とスノーボールたちのサーカスからトラを助ける話の二本立てだが、適当な作劇はやはりディズニーとの違いかもしれません。でも…

映画感想「火口のふたり」

「火口のふたり」 あれだけの話で2時間近く見せるということは、脚本が良くできていたのか、演出や演技が優れていたのか、映画としてなかなかの仕上がりの作品でした。監督は荒井晴彦。 いとこの直子が結婚するからという連絡をもらい10年ぶりに実家に帰って…

映画感想「ロケットマン」「ドッグマン」「ディリリとパリの時間旅行」

「ロケットマン」 「ボヘミアン・ラプソディ」よりも格段に映画として楽しかった。ミュージカル仕立てというのもあるけれど、テクニカルな特殊映像を駆使して描くエルトン・ジョンの半生はとにかく音楽に彩られ破天荒ながら賑やか、そんな空気感が出ていたと…

映画感想「ダンスウィズミー」

「ダンスウイズミー」 楽しいに違いないといき込んで見始めたのですが、オープニングのノリが早くも中盤で失速して行って、ラストに至っては歌だけというちょっと予想外れな展開が残念な映画。物語の組み立てが悪いのか、これはこれで意図したものなのか、個…