くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「架空OL日記」「武装市街」

「架空OL日記」 女子銀行員のいわゆる女子トークをオムニバス風に描いていくたわいのないコメディ。バカリズムがブログに綴ったもののテレビ放映版の劇場版。それはそれで楽しい映画でした。まあ、テレビレベルですけどね。監督は住田崇。 主人公私が月曜の…

映画感想「恋恋豆花」「コロンバス」

「恋恋豆花」 台湾の観光映画?グルメ映画?ヒューマンドラマになってないし、延々と有名なグルメを食べまくる。時々挟む素人セリフも全然やし、退屈極まりない映画だった。監督は今関あきよし。 三人目の母親を迎えることになった奈央と父、新しい母の結婚…

映画感想「サーホー」「弥生、三月、君を愛した30年」

「サーホー」 最近のインド映画の特徴としての荒唐無稽な展開と映像にいつの間にか引き込まれてしまう。脇役を次々と切り捨て、その場限りかと思えるようなストーリー展開、なんで出てくるのという突然の登場人物、それぞれがまるでつじつま合わせのように所…

映画感想「シェイクスピアの庭」「盗まれたカラヴァッジョ」

「シェイクスピアの庭」 とにかく画面が美しい。構図といい、配色といい、光の使い方といいうっとりするほど綺麗だが、お話がとにかくつまらない。淡々としているのはわかるけれど、もう少し、静かなりにもリズムは必要だと思う。監督はケネス・ブラナー ヘ…

映画感想「私は殺される」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

「私は殺される」 え?というラスト。あそこまで引っ張って引っ張って、ラストはいきなり終わるというなんとも紋切りな映画だった。始まりはどうなることか期待したのに、締めくくりは時間切れという珍しい映画だった。監督はアナトール・リトヴァク。 心臓…

映画感想「疑惑の渦巻」「秘密調査員」「出獄」

「疑惑の渦巻」 催眠術という、今や取り扱われなくなった手段によるサスペンス。わかりやすいストーリー展開と謎解きに最後まで引きつけられるのですが、ラストがちょっと雑に仕上げたのは少し残念でした。監督はオットー・プレミンジャー。 一人の女性アン…

映画感想「酔うと化け物になる父がつらい」「一度死んでみた」

「酔うと化け物になる父がつらい」 この映画は嫌い。登場人物みんな我慢と後ろ向きにしか生きていない。確かにコミカルな演出と登場人物は出てくるものの、それが微笑ましい笑いに繋がらない。実話という枷もあるのだが、父トシフミも結局わかってほしい的な…

映画感想「人間の時間」「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」

「人間の時間」 描きたいことはわかるが、他に描写する方法あるだろうにと思う。食事の前後にはオススメしない映画ナンバーワンですね。とにかく、グロいのだが、全編グロいので、慣れてしまう自分が怖い。監督はキム・ギドク。 かつて軍艦だったが、退役後…

映画感想「虫女」「水女」「火女‘82」

「虫女」 聞きしに勝る怪作とはこういう映画を言うのだろう。カットのつなぎやカメラワークは尋常ではないのだが、音楽センスや物語の描写が抜きん出て人間離れしている。癖になる映像とはある方向では、こういうのをいうのかもしれない。監督はキム・ギヨン…

映画感想「暴力行為」「邪魔者は殺せ(けせ)」

「暴力行為」 さすがに見事な映画でした。画面の構図といいストーリーの展開といいラストの畳み掛けのカット編集といい、リズムに乗せてしまうサスペンスの傑作。素晴らしかった。監督はフレッド・ジンネマン。 明け方の街、一人のびっこを引いた男ジョーが…

映画感想「誘拐魔」「影を追う男」「悪魔の往く町」

「誘拐魔」 少々途中から横道に逸れていく感があるのですが、余計なことはさておいての単純なサスペンスを楽しむことができます。これがフィルムノワールの面白さですね。監督はダグラス・サーク。 バスに乗る一人の女性が待ち合わせの手紙を読んでいるシー…

映画感想「犬鳴村」「チャーリーズ・エンジェル」(2019年版)

「犬鳴村」 物語の軸が全然できていないし、ラストの見せ場だけに力が注がれた適当な映画という感じで、怖くないし、怖く見せる工夫もないし、ラストに至ってはだらだら見せるし、こういうのをプロが作ってはいけないというような映画だった。監督は清水崇。…

映画感想「レ・ミゼラブル」(ラジ・リ監督版)「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」

「レ・ミゼラブル」(ラジ・リ監督版) これはなかなかの傑作。フランスのスラム街がこれほどのものかと驚く一方で、フランスが抱える闇の部分が見えてきた気がします。物語展開の構成もうまいし、終盤に挿入される美しい夕陽のシーンのワンクッションから後の…

映画感想「仮面病棟」「Fukushima50」

「仮面病棟」 面白い話のはずなのだが、小説なら隠せているフェイクが全部表に出てしまっている上に、演出力の弱さなのか緊張感がまるでなくダラダラ展開していくのはさすがに残念。監督は木村ひさし。 田所病院の前にパトカーが集まっている。どうやら立て…

映画感想「野性の呼び声」「新宿アウトロー ぶっ飛ばせ」「大幹部 無頼」

「野性の呼び声」 犬がCGでなかったらもっと可愛くて自然に感動しただろうに、CGゆえの不自然な擬人化が気になって、今一歩のめり込めなかった。それと、物語の中心になるソーントンとバックの話までの前置きがちょっと長すぎてバランスが悪い。ラストの引き…

映画感想「黒い司法0パーセントからの奇跡」「必死の逃避行」

「黒い司法0%からの奇跡」 実話を丁寧に抑えていくストーリー展開は非常に真面目で丁寧な作りで、映画的な小細工をしていないのはよかった。監督はデスティン・ダニエル・クレットン。 アラバマ州、一人の黒人が木を伐採している。車に乗って帰宅途中、パト…

映画感想「彼らは生きていた」「星屑の町」「パニック」

「彼らは生きていた」 第一次大戦のドキュメンタリーフィルムをカラライゼーションした上で再構成したドキュメンタリー。監督はピーター・ジャクソン。 第一次大戦が勃発し、イギリスの市民は半ばバカンス気分で兵士に志願していく場面から映画は始まる。ま…

映画感想「ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ」「私の知らないわたしの素顔」「仮面の男」

「ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ」 シュールです。空間がほとんど把握できないので、いったい今主人公はどこにいるのか掴めないままに幻覚か現実かわからない展開を追いかける結果になりましたが、なかなかクオリティの高い、クセになる作品でした…

映画感想「白鳥」「真紅な海が呼んでるぜ」「恐怖への旅」

「白鳥」 今となっては廃れてしまった純愛悲劇ドラマの典型的な作品。若き日の吉永小百合が抜群に可愛らしく、その魅力だけでも見た甲斐のある映画でした。監督は西河克己。 主人公麗子は、父を大学教授に持つ女子大生。幼馴染小宮山と婚約をし幸せな日々を…

映画感想「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」「ジュディ 虹の彼方に」

「スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼」 よく練られた面白い構成なのに、雑なところが目に余るくらいにひどい上に全体のエピソードのバランスのリズムが悪く、ワクワクドキドキになりきらずに仕上がってしまった感じです。監督は中田秀夫。 第一作の…

映画感想「陽のあたる坂道」(渡哲也主演版)「赤いグラス」「あなたの命」

「陽のあたり坂道」 なんども映画化されている原作の渡哲也主演版ですが、沢山の映画化作品の中では上位に位置する一本じゃないかと思います。全体がまとまっているし、嫌味のない構成と展開が綺麗にできています。脇役の演技力に負うところが大きい気もしま…

映画感想「音楽」「スウィング・キッズ」「エスケープ・ルーム」

「音楽」 ロトスコープという技法を使い、四万枚の作画と七年間の時間で完成させた作品を見る。淡々とした冷めたストーリーが独特の空気感を生み出して、ラストにほんのりと切ない青春を放り込んだ物語がとっても素敵な作品。アニメの特徴を最大限に使った絵…

映画感想「Red」

「Red」 なかなかの仕上がりの映画ですが、いかんせん全体が暗いですね。男と女の恋、結婚について掘り下げたメッセージなのだと思いますが、全体の赤のイメージが妙に暗い。でもいい映画でした。監督は三島有紀子。 主人公塔子と10年前に恋人だった鞍田が車…

映画感想「スケアリーストーリーズ 怖い本」「初恋」(三池崇史監督版)

「スケアリーストーリーズ怖い本」 ギレルモ・デル・トロがプロデュースした作品です。たしかに面白いのですが、これといって斬新な映像も演出も見られない。ストーリーの展開は丁寧にきっちりしているので、B級感はあまりないがホラー映画としては普通とい…

映画感想「名もなき生涯」

「名もなき生涯」 美しい映像と独特のカメラワークで描く映像詩のような美しさのある一編、流石にテレンス・マリック監督見事です。 1939年オーストリア、第二次大戦で従軍していた農夫達は、フランスの敗北で一旦戻ってくる。ところが、ドイツから徴兵の依…