くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(4Kリマスター版)「ソウルメイト 七月と安生」

「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」 見逃していたアニメ大作を見る。評判通りの傑作でした。もし、この作品を1995年リアルに見ていたらもっと驚いていたと思います。斬新な画面と音楽、さらにシュールで哲学的な物語、行間に隠された様々な謎、これこそ日本…

映画感想「MIRRORLIAR FILMS Season1」「THE GUILTY/ギルティ」

「MIRRORLIAR FILMS Season1」 短編映画制作を応援するサービス「ミラーライアー」によるプロジェクトの第一弾。どれもこれも個性に富んだ自主映画調で、期待以上に楽しめました。どれがどういう話という具体的なものもあればシュールな物、風刺の効いた物な…

映画感想「ディナー・イン・アメリカ」

「ディナー・イン・アメリカ」 これはなかなか面白かった。一見、よくあるお話のようで、見ているとどんどんオリジナリティが見えてくる。三つのディナーシーンを画面の区切りにして、主人公たちが少しずつ変化していく様が面白い。しかも、しっかり青春映画…

映画感想「殺人鬼から逃げる夜「クーリエ 最高機密の運び屋」

「殺人鬼から逃げる夜」 駄作の極みに久しぶりに出会った感じ。何度映画館を出ようかと思うほどにひどい映画だった。状況設定、舞台設定が全然できていないし、登場人物が主人公から脇役に至るまでバカでアホやし、こんな脚本、ど素人でも書かないやろやろと…

映画感想「総理の夫」

「総理の夫」 久しぶりにテレビドラマレベル以下の凡作を見ました。原作が弱いのか脚本が弱いのか演出にキレがないのか、なんともし難い映画だった。物語の流れも読めるし、登場人物も平凡だし、主人公も際立たない。中谷美紀が出れば相当な映画もそれなりに…

映画感想「MINAMATA ミナマタ」「空白」

「MINAMATA ミナマタ」 なぜ今水俣病の映画?なぜ今ジョニー・デップ?という感じの作品ですが、とにかく映像が抜群に美しいのが妙に心に残ってしまう。ライティングの工夫や構図が下手な芸術映画より美しい。しかも扱うのは水俣病を世界に知らしめた写真家…

映画感想「赤ひげ」「サスペリアPART2」(4Kレストア完全版)

「赤ひげ」 スクリーンで見直すのは何年振りか、しかし恐ろしいほどの傑作ですね。あれだけのエピソードが見事にオーバーラップして一つの物語に終結する脚本の素晴らしさ、庶民の甘ったるいヒューマンドラマではなく、辛辣な視点もあちこちに散りばめられた…

「科捜研の女 劇場版」「ベイビーわるきゅーれ」

「科捜研の女 劇場版」 期待もしてないけど、後輩沢口靖子のために見にきた感じですが、これがまた面白かった。20年を超える長寿テレビ番組が初めて映画化という流れの理由がわからないほど面白かった。完璧な勧善懲悪で、味方側に悪者は一人も出ないこと、…

映画感想「ミス・マルクス」「アイダよ、何処へ?」「君は永遠にそいつらより若い」

「ミス・マルクス」 ロック調の音楽やモダンに編曲したクラシックを挿入する演出が個性的なのですが、映像とうまくマッチさせるだけの感性が整っていないので、とってつけたように音楽が入るのはちょっとどうかと思えた。また、核となる話が見えないので、主…

映画感想「スイング・ステート」「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」

「スイング・ステート」 面白かった。期待してなかったけど、楽しめました。アメリカはこれほどまで下品な国になったと言わんばかりの展開を徹底した後にひっくり返す鮮やかさは拍手ものでした。監督はジョン・スチュワート。 ヒラリー・クリントンとドナル…

映画感想「レミニセンス」「マスカレード・ナイト」

「レミニセンス」 面白く作ろうと複雑に組み立ててはいるのですが、そもそも、壮大な舞台の割にはお話がこじんまりとしていて、悪役のスケールも小さくて、小さくまとまった感満載の作品。たしかに、二転三転していく話と、感動のラストシーン、そこへ至る謎…

映画感想「シュシュシュの娘」「スパイラル ソウオールリセット」

「シュシュシュの娘」 典型的なインディーズ映画ですが、単純に面白さのエッセンスをかき集めた感が最高の一本。少々、移民反対を糾弾するという偏ったメッセージが見え隠れしないわけではないけれど、痛快なアクション映画というか、マカロニウエスタン調と…

映画感想「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」「ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!」

「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」 もっと軽いコミカルなラブストーリーかと思っていたら、意外にラストはシリアスに締めくくった。そのシリアスさがこの映画の価値をあげた気がします。決して出来の良い作品ではないけど、一見の価値がありました…

映画感想「浜の朝日の嘘つきどもと」「ムーンライト・シャドウ」

「浜の朝日の嘘つきどもと」 なんともダラダラした脚本で、前半はまだテンポが良かったが、後半はとりあえず作ったという感じでしかない展開とエンディングにため息が出てしまった。ほとんど高畑充希と大久保佳代子の演技力だけで引っ張っていく作品で、いく…

映画感想「先生、私の隣に座っていただけませんか?」「スザンヌ、16歳」「ショック・ドゥ・フューチャー」

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」 これは面白かった。脚本の出来の良さと、演者の演技力の賜物と言う一本でした。プロットの基本は渡辺淳一の「あじさい日記」ですが、それを日記から漫画に置き換え、さらに二転三転、虚構と現実を交錯させた構成…

映画感想「DAU.退行」

「DAU.退行」 先日見た「DAU.ナターシャ」の続編で約10年後から始まる。全九章からなる物語で、ダンテの「神曲」をモチーフにしている。これは傑作でした。メッセージを映像に変化させるとこうなると言わんばかりの作品で、誰が主人公というわけでもなく、粛…

映画感想「大地と白い雲」「名もなき歌」

「大地と白い雲」 広いモンゴルの大地と、平坦なストーリーで、思いのほか長く感じてしまいますが映画としては良質の一本でした。都会に憧れる若者の姿を、遥か彼方まで広がる地平線と、真っ青な空、そして時に襲ってくる自然の雪景色などを交えながら、仲の…

映画感想「五番町夕霧楼」(田坂具隆監督版)「ストップ・メイキング・センス」

「五番町夕霧楼」 良かった。画面に釘付けになってしまいました。粛々と伝わってくる人間ドラマの機微、きっちり組み立てられた構図と色彩演出、細部にこだわった演出、これこそ名作。役者の一人一人の演技の深みも絶品。監督は田坂具隆。 海を見下ろす丘の…

映画感想「アナザーラウンド」「くじらびと」

「アナザーラウンド」 もっとコミカルな軽い映画かと思っていましたが、思いの外深みのある人間ドラマに仕上がっていました。いい映画ですが、アカデミー賞国際長編映画賞受賞ということですが、そこまでかなとは思いました。監督はトマス・ビンターベア。 …

映画感想「五瓣の椿」

「五瓣の椿」 ほんまにこれは名作です。一見、単純な女の復讐劇かと思われたけれど、物語が進むにつれてどんどん深くなっていく上に、人間の在り方、罪のあり方、その何もかもが一気に主人公にのしかかるクライマックスは圧巻というほかありません。全盛期の…

映画感想「シャン・チー テン・リングスの伝説」

「シャン・チー テン・リングスの伝説」 スケールアップした香港映画という感じで楽しめました。特撮は派手だし、カンフーシーンも面白いし、主演のにいちゃんがもうちょっとオーラがあったらもっと作品が引き立ったかもしれないけれど、ほとんどトニー・レ…

映画感想「テーラー 人生の仕立て屋」「スペース・プレイヤーズ」「モンタナの目撃者」

「テーラー 人生の仕立て屋」 ちょっと変わったストーリーと、リズミカルな演出を徹底したテクニカルな映画作りは面白い作品でした。もっと盛り上がる映画かと思ったけれど意外にあっさりと流れるのは個性的な感じでした。監督はソニア・リザ・ケンターマン。…

映画感想「帝銀事件 大量殺人獄中三十二年の死刑囚」「ニワトリはハダシだ」

「帝銀事件 大量殺人獄中三十二年の死刑囚」 テレビ番組ですが、松本清張原作、新藤兼人脚本ということもあり見にきた。とにかく長い。当時まだ控訴中だったこともあり、ドキュメンタリータッチで延々と描いていくのはさすがに辛い。特に、逮捕までのテンポ…

映画感想「ヒルコ 妖怪ハンター」「ラブ・レター」「クリーン、シェーブン」

「ヒルコ 妖怪ハンター」(デジタルリマスター版) 少々荒っぽいものの、相当に面白かった。テンポがいいし、話がシンプルだし、しかも閉鎖空間というホラーの常道をしっかり踏襲している。妖怪ヒルコが廊下を駆け抜けてくるスピード感も最高。楽しい一本でし…