くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「キング・オブ・シーヴズ」

「キング・オブ・シーヴズ」

もっと面白く作れると思うのですが、実話ゆえか、脚本の弱さか、人物それぞれがどれもバラバラで、しかも筋の通った話が全部脇道に逸れてしまって、それでも最後はみんな仲良しってどんな展開やと唖然としてしまった。勿体無い映画でした。監督はジェームズ・マーシュ

 

かつて泥棒の王と呼ばれていたブライアンも、今は引退し、愛する妻と食事をしている場面から映画は始まる。しかしその妻は突然死んでしまう。そんな時、知人のバジルがロンドン一の宝石店ハットンガーデンに窃盗に入ろうという計画を持ち込む。自分は裏口の鍵を持っているし警報も全て処理できるというのでブライアンが計画を立て、かつての仲間テリー、ダニー、ケニー、を呼び寄せるが、ケニーは勝手にビリーという男を引き入れる。それが気に食わず、突然計画からブライアンは降りる。残るメンバーで押し入るが、道具のミスで翌晩もう一度侵入、そしてハットンガーデンの金庫の中の顧客の金庫を開け始める。あらかじめブライアンから狙うべき金庫を教えられていたバジルは勝手に値打ちのある宝石をポケットに入れる。

 

仕事を終え、分け前を分ける段になって、バジルは避けものにされ、適当な現金を与えられて追い出される。バジルは遠方に身を潜めていたブライアンを訪ね、ことの経緯を話す。ブライアンは早速テリーら全員を招集する。一方警察は街頭のカメラから不審な車を発見し、犯人の目星をつけ始めていた。

 

そして、集合場所に集まったテリーらは逮捕、続いてブライアンも逮捕される。裁判を前にスーツに着替える彼らにブライアンは老人であることをアピールしろと指示する。こうして映画は終わってしまうのだが、メンバーそれぞれが自分の取り分を隠したり、ブライアンを裏切ったりする言動を繰り返す上に、ブライアンもバジルを脅すようなセリフも口にするのに全くそれが場面として出てこないし、エンドクレジットの字幕でブライアンらのその後が説明され、バジルは行方不明とされるのに、どれもこれもが物語の中の展開とチグハグになっている。

 

実は全てブライアンの計画の一部であったというどんでん返しならありなのだが、どうもそういう素振りの場面もない。一体なんなのだという作品でした。面白くなりそうだったのに残念。