くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「さらば友よ」「無頼漢 渇いた罪」

kurawan2015-10-12

「さらば友よ」
午前10時の映画祭でようやくスクリーンで見ることができたが、なぜか英語版、それでも念願の一本を楽しめた。
英語版という意味ですが、アラン・ドロンも普通に英語を話している気がするのですが。監督はジャン・エルマン

かなり前にテレビでしか見ていなかった映画、ラストシーンの煙草に火をつける名シーンをこそ覚えていたが、他はほとんど忘れていた。それより、ラストでアラン・ドロンが、「イェ!」と叫んで暗転を完全に忘れていた。

さすがに男臭い大人の映画という風格である。安っぽいサスペンスではなく、男同士の見えない絆が、じわじわとストーリーの表に出てくるドラマ性の面白さは、絶品と言える。

主人公二人がマルセイユの港に着くオープニングから、お互い、金のために、悪事を企む前半、そして、ヂィノにつきまとうフランツが、まんまとその企みに加わり、金庫室に閉じ込められる下りから、脱出、知り合った女に騙されたことを知り、そして、警察との駆け引き、真相が明らかになるラストから、名シーンへ。

これが名作だなと思わせるのです。

アラン・ドロンチャールズ・ブロンソンの個性のぶつかり合いが作品を支配する感じの映画で、ミステリーの面白さより、二人の男の存在感のドラマです。映画の風格とはこういうものだなと納得の一本でした。


「無頼漢 渇いた罪」
つまらなかった。期待半分とはいえ、ここまで平凡だとガッカリ。しかも、好みではない韓国映画と来ると、落ち込んでしまう。監督はオ・スンウク。

映画は主人公ジェゴン刑事を長回しで捉える場面から始まる。殺人事件を追っている彼は、容疑者の恋人ヘギョンの存在を知り、身分を偽って、彼女の店に潜入、容疑者のジュンギルがあらわれるのをまつ。

ところが、どん底で暮らす彼女に寄り添ううちに、ジェゴン刑事の心には彼女への愛情が芽生えていく。一方ヘギョンにも彼への想いが目覚めるのだが。

よくある話の上に、ジェゴン刑事の周りの刑事の描き方も雑だし、特にカメラや演出が優れているわけでもない。ストーリー構成も普通、結果ただの韓国映画という感じだった。