くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2016-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「ミュージアム」「この世界の片隅に」

「ミュージアム」 しつこいというか、くどいというか、しかもサスペンスもミステリーもない薄っぺらな登場人物に、見ていて、いらいら感だけが募る作品でした。監督が大友啓史なので、それなりに期待していたのに、中途半端なスプラッターホラーという感じの…

映画感想「乱気流野郎」

「乱気流野郎(クレージーの花嫁と七人の仲間)」 いらいらするほどまどろこしい物語だが、これが時代色というやつでしょうね。たわいのない作品ですが、ほのぼのした当時の日本が垣間見られる作品でした。監督は番匠義彰です。東京の老舗の寿司屋を舞台に、ベ…

映画感想「続・深夜食堂」「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」

「続・深夜食堂」 テレビドラマ版が話題になった作品の映画版第二作である。当初の映画版は見ていないのですが、原作の物語の中の3話をオムニバス的につなぎ合わせて見せるので特に問題はありません。しっとりとした空気の中で描かれる人情ドラマはどれも秀…

映画感想「浮気のすすめ 女の裏窓」「小さな園の大きな奇跡」「種ま

「浮気のすすめ 女の裏窓」 なんと感想を書くのか、時代色が極端に表に出た珍品映画という感じの一本でした。監督は番匠義彰である。会社の警備員をする主人公は、ある晩、事務員を手篭めにしようとした社長を見つけたためにクビになってしまう。たまたま知…

映画感想「溺れるナイフ」「ボクの妻と結婚してください」

「溺れるナイフ」 細かいカットをジグソーパズルに組み合わせながら、感性だけで物語をグイグイと引っ張っていく演出がちょっと面白い作品。これで役者がそれなりの演技力があれば佳作に仕上がったろうに、小松菜奈が非常に良くないために、相方の菅田将暉さ…

映画感想「湯を沸かすほどの熱い愛」「ブリジット・ジョーンズの日記

「湯を沸かすほどの熱い愛」 これは良かった。子役を捨て駒にしていないし、単純な難病ものに終始していない奥の深い脚本が見事。さらに、杉咲花を含め、子役が素晴らしい。久しぶりに中身の濃い秀作に出会った感じです。監督は中野量太です。夫一浩が出て行…

映画感想「神聖なる一族24人の娘たち」「92歳のパリジェンヌ」「ジュ

「神聖なる一族24人の娘たち」 なんと感想を書けばいいのかわからない映画です。ロシア映画で、描かれたのはロシアの辺境マリ・エル共和国の女性の物語。独特の宗教観と世界観を持つ彼らの姿をフィクションというよりドキュメンタリーのごとくストレートに描…

映画感想「ぼくのおじさん」

「ぼくのおじさん」 ゆるい話がダラダラと流れるのはいいのだが、いかにも脚本が良くない。さらに、この作品の見せ所である、世間離れしたおじさんの存在感がどんどん普通の人間になることにサプライズもない。結局、ラストでこじつけて本来の存在感に戻した…

映画感想「ザ・ギフト」「手紙は憶えている」

「ザ・ギフト」 どうにも、後味の悪い映画でした。最近はやりの、隣人が異常者というパターンの映画ですが、前半はともかく、後半がどうにもスピード感に欠けてしまってどうしようもない上に、途中でなんとなく見えて来たラストがいかにも、嫌な感じで参った…

映画感想「デスノート Light up the NEW world」

「デスノート Light up the NEW world」 いろいろ複雑にして、こねくり回しても、結局当初のオリジナルストーリーの面白さを超えることはできなかった。あまりに創造性のない物語にうんざりしてしまった。本当に残念。まぁ予想はついたのですが、これはない…

映画感想「日本俠花伝」「宮本武蔵」(加藤泰監督版)

「日本俠花伝」 加藤泰監督単独脚本で、後期の代表作です。とにかく、全編二時間半圧倒される情炎の世界である。一人の女が汽車の中で駆け落ちした男と本を売り、汽車賃を稼ぐ場面から映画が始まる。いかにも田舎者だが気は強い主人公峰を演じるのは若き日の…

映画感想「奇蹟がくれた数式」「人間の値打ち」

「奇蹟がくれた数式」 光の使い方が実に美しい作品。木漏れ日のように漏れる明かりが人物を照らし、室内を照らす。その淡いムードがインドのシーンで最高の効果を上げている。物語は実話ですが、人間ドラマとしても秀逸で、二人の登場人物の心の絆がつながる…

映画感想「橋」「花と龍」(青雲・愛憎・怒涛編)「炎のごとく」

「橋」 たわいのない恋物語ですが、岡田茉莉子や笠智衆など揃うと、それなりにしっかり見ることができるし、途中ダレない。監督は番匠義彰である。元海軍の提督である父を持つ二人の娘の物語を中心に、彼女の周りに現れる男性、そして、女性が働くという当時…

映画感想「インフェルノ」「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」

「インフェルノ」 シリーズ第三弾、ダン・ブラウン原作の謎解きサスペンスである。脚本がデビッド・コープに変わったことで、謎解きの面白さより、ストーリー展開のスピード感に重点がおかれた作品に仕上がっている。監督はロン・ハワード。一人の男、ゾブリ…

映画感想「バースデーカード」「ダゲレオタイプの女」「ある戦争」

「バースデーカード」 決して映画としての出来栄えは普通なのですが、思い切り泣いてしまった。ある意味、こういう人生を一部でも経験した人間でないと感情移入できない一本、そんな映画に出会ってしまいました。監督は吉田康弘です。紀子とその母、弟、気の…

映画感想「ジェーン」「江戸川乱歩の陰獣」「男の顔は履歴書」

「ジェーン」 特に秀でた作品ではないのですが、脚本の物語の処理が実に上手いので、最後まで間延びせずにしっかりと見ることができる。良い映画でした。監督はギャビン・オコナー、製作はナタリー・ポートマンです。南北戦争の時代、一人の男ビルが撃たれて…

映画感想「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」

「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」 とにかく長い。シンプルな話なのだが、三時間を超える作品。目的に向かってもっとスピーディに進めばいいのにと思うほどに長い。今となっては死語に近いマカロニウエスタンの一本を見る。監督はセルジオ・レオーネ、音楽…

映画感想「骨までしゃぶる」「みな殺しの霊歌」「阿片台地 地獄部隊

「骨までしゃぶる」 非常にシンプルに整理された物語の中に凝縮された人間ドラマが、観客にどんどん迫ってくる迫力を堪能できる一本でした。面白かった。監督は加藤泰です。ローアングルで、幼い弟たちを養う貧しい農村の次女きぬ。生活のために身を売るべく…

映画感想「スター・トレック BEYOND」「われらが背きし者」

「スター・トレック BEYOND」 面白いのですが、この新シリーズの最初の一本目を見た時の感激するほどの面白さはなかった気がします。監督がJ・J・エイブラムスからジャスティン・リンに変わったせいなのかどうかわかりませんが、導入部が実に軽すぎるし、物…

映画感想「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」「昭和おんな博徒

「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」 非常に落ち着いた映像で見せる良質の作品でした。フィルムの色彩を尊重した1929年ごろのニューヨーク、さりげないセリフや仕草に描かれる人物の存在感が実にしっくりしていて、見ていて、いつの間にか引き込まれま…

映画感想「幕末残酷物語」

「幕末残酷物語」 なるほど傑作である。地面すれすれ、あるいは穴をほったのではないかというほどのローアングル、建物や障子の隙間に配置した人物の構図、ここぞという時の超クローズアップ、画面の中にほとばしるような息遣いを伴わせ、詰め込まれたような…

映画感想「何者」「淵に立つ」「香港、華麗なるオフィス・ライフ」

「何者」 面白い映画だし、演劇の鬼才らしい個性的な演出が見られるのだが、結局、クライマックスは自分の得意な部分で締めくくったという感じの構成になった。前半部分はやたらカメラがゆらゆらとパンを繰り返すのが気になったけれど、終盤に一気に引いて行…

映画感想「抱かれた花嫁」「緋牡丹博徒 お命戴きます」「風の武士」

「抱かれた花嫁」 古き良き娯楽映画の一本で、松竹グランドスコープと呼ばれるワイドスクリーン第一回作品という有名な一本でもある。なんのことはない本当に気楽な映画で、老舗の寿司屋を舞台に展開するコミカルな恋物語。監督は番匠義彰である。老舗の寿司…

映画感想「永い言い訳」「みかんの丘」「とうもろこしの島」

「永い言い訳」 これほど繊細に描かれる人間ドラマ、いや人生の物語というのは、やはり才能がなければ無理だなと思う。監督は西川美和。自身の原作を映画化した作品ですが、なんとも言えないものが心に残る。それは感動とかいう単純なものではない感覚。これ…

映画感想「怪談お岩の亡霊」「炎の城」

「怪談お岩の亡霊」 鶴屋南北の原作を忠実に再現したという作品で、地面に穴を掘ったと言われる底アングルから見上げるカメラアングルがものすごい恐怖感を生み出し、手持ちカメラの躍動感と日本映画らしい様式美、小唄を交えた音楽効果など、見応えと恐怖感…

映画感想「お父さんと伊藤さん」「グッドモーニングショー」

「お父さんと伊藤さん」 うざい映画だった。というのが第一印象。脇役が弱いために、物語の本筋が盛り上がって来ない。見せたいこと、伝えたい物語が引き立たないままに、ただめんどくさい老人の物語に終始してしまう。監督はタナダユキなので、凡作とまでは…

映画感想「少女」「逆襲大蛇丸」「忍術児雷也」「浪人八景」

「少女」 因果応報に張り巡らされた世界を二人の少女の一夏の物語として描いた作品。原作は湊かなえである。しかし、原作が弱いのか脚本が弱いのか、シュールな映像で展開する三島有紀子監督の映像はどこかバラバラで、ちぐはぐになっている。全てが因果応報…

映画感想「白狐二刀流」「瞼の母」

「白狐二刀流」 古き良き普通の時代劇。良くも悪くもない一本。監督は加藤泰。主演は中村錦之助である。源義経の子孫が先祖の残した財宝の場所に行くところから映画が始まる。その近くの村には、私服を肥やす悪徳商人がいて、仲間を集めて、この義経の財宝の…

映画感想「ジェイソン・ボーン」「不思議惑星キン・ザ・ザ」「オフィ

「ジェイソン・ボーン」 さすがに面白い。映画が始まってからノンストップであれよあれよとアクションが間断なく繰り返される。しかも、ワンパターンではなく、様々なパターンが目まぐるしく展開して行くのである。さらにすごいのは、次々と物語が先に進むに…

映画感想「CUTIE HONEY-TEARS-」「世界一キライなあなたに」

「CUTIE HONEY-TEARS-」 久しぶりの最低映画。キューティーハニーといえば、セクシーで強くてカッコよくなければいけないのに、そのどれもできていない。永井豪の原作のテイストを全く理解せずに作られた駄作。とにかくアクションシーンが最低。カメラが寄り…