2014-01-01から1年間の記事一覧
「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」 基本的にドキュメンリーはみないのだが、ベネチア映画祭金獅子賞受賞作品として絶賛されているとなれば、逃すわけにも行かず、見に出かけた。ローマをぐるりと取り巻く高速道路を中心に、その周辺、それにまつわるよう…
「ホットロード」 宣伝を見ているときから、大した映画ではないなと思いながら、能年玲奈を見たいだけで見に行った。予想通り、大した映画ではなかった。まず一つに、原作の背景にある暴走族、不良という存在に、もはや時代の差を見ざるを得ないこと。そして…
「めぐり逢わせのお弁当」 インド映画だが、ダンスシーンはない。純粋な大人のラブストーリー。こういう地味な恋愛物語もインド映画にはあるのだと感じいる一本でした。主人公の主婦イラがお弁当を作っている。上の階のおばさんに指導されながら、自分にあま…
すでに、前作から3年がたち、ほとんど物語をうやむやにしか覚えてないが、前作が、とにかく迫力満点で面白かったという印象の元に、今回も期待で見に行った。例によって、ひたすら派手なCG特撮のバトルシーンはおもしろい。しかし、前作ほど、ストーリー…
「滝の白糸」(野淵昶監督版) 解説の通り、宮川一夫のカメラが抜群に美しい。いや、それもだが、アングルも、美術セットも群を抜いた一級品である。物語は、いまさらでもない泉鏡花原作の有名なお話である。冒頭、旅芸人の滝の白糸一座が、金沢の興業場へや…
「大佛開眼」 衣笠貞之助監督が描く歴史絵巻。スタンダードサイズながら、雨の影を壁に映しだしてみたり、木々の隙間を通して背景を映し出してみたり、あるいは、人物の前後を極端な奥行きの配置でとらえてみたりと、構図づくりが実に美しい一本でした。物語…
「イーダ」 モノクロスタンダードの画面に、徹底的に削り取られた映像とせりふ、そしてストーリーにジャズの音楽を交えて語られるポーランド近代史の一面。そのあまりのシンプルさに、結局、90分弱だというのに、完全な理解にいたらなかった。映画は、ある…
「るろうに剣心 京都大火編」 前作で、世界に通用するアクション時代劇のおもしろさを堪能し、今回、期待の続編。監督は前作同様、大友啓史。期待通り、めまぐるしいほどのアクションシーンの連続とスピード感を堪能することができました。単純に、とにかく…
「さらば、わが愛 覇王別姫」 20年ぶりくらいで、大スクリーンで見直しましたが、やはり寒気がするほどにすばらしい作品でした。小豆と石頭が出会い、やがて一人前の京劇俳優になるまでを、辛い修行の場面と、二人の友情、いやそれ以上の心の交流を描き、…
「絞殺」 目を背けたくなるほどにいやな映画だ。しかし、映画になっている。それはさすがに新藤兼人監督の力量というか、脚本力の見事さである。しかし、いやな映画だ。映画が始まると、高校生の勉がウイスキーの瓶をラッパ飲みしてそのまま寝てしまう。夜中…
新藤兼人脚本、監督作品、であるが、どうも物語のシーンの繰り返しが、ちょっとくどいために、後半部分までもたない。その分、しんどくなってくる一本でした。開巻早々、吹雪の中、主人公佐喜枝がふらふらと歩いてくる。カメラは極端な斜めの構図、続いて、…
「愛妻物語」 新藤兼人監督のデビュー作で、自らの自伝的な物語を脚本にし、映像にした一本である。さすがに溝口健二監督に師事しただけあって、ゆっくりとパンし、回転するカメラワークや、カメラの位置を想像させるようなゆっくりとした移動、丁寧に繰り返…
「友よ、さらばと言おう」 大好きな映画、「すべては彼女のために」「この愛のために撃て」のフレッド・カヴァイエ監督最新作、期待のフィルム・ノワールである。予想通り、ワンパターンとはいえ、突っ走るスピード感あふれるストーリー展開を堪能することが…
「怪しい彼女」 韓国映画は基本的に、一部の傑作をのぞいて嫌いである。しかし、しかし、悔しいことだが、この映画はとっても楽しかったし、最後は胸が熱くなってしまいました。友達の誰もが、おもしろいからというので、重い腰を上げて見に行ったのですが、…
「やっさもっさ」 横浜を舞台に、米軍兵士や外国人とのあいだにできた孤児を預かる双葉園の理事亮子を中心に風刺劇のごとく描く、いわば戦後の日本の歴史の一ページを知るような作品である。監督は渋谷実、決して優れた映画とはいえないが、戯画化された描写…
「喜劇とんかつ一代」 映画が楽しい。そんなことがスクリーンからほとばしり出てくるような、典型的な川島雄三監督作品、いわゆる川島コメディである。しゃれた音のセンスで、背後にちらほらと、ふざけたように聞こえてくる動物の鳴き声や、湯島天神を歩くシ…
久しぶりに、かなりなシュールな映画を見ました。 煙るような町、どこか、黄色がかっていて、映像の色調も少し、色合いをそぎ落としたようなカラーで描かれる。映画はおなかの大きい一人の全裸の女性がベッドでこちらを振り返っているカットから始まる。続い…
ほぼ30年ぶりの見直しであるが、やっぱり名作というのは、寒気がするほどにすばらしい。タイトルの出し方からエンドクレジットまでが、まるで一瞬の夢のように駆け抜けていくリズム感がある。これはもう、アーサー・ペンの演出力、ウォーレン・ビーティや…
「眠れる美女」 マルコ・ベロッキオ監督作品。と思って、見に行ったのだが、昨年見た作品だった。久しぶりに二重鑑賞。洋画ではあまりないのだが、油断してしまった。しかし、前回みたときも、ちょっと眠かったので、しっかり見直すことができてよかった。そ…
「マイブラザー 哀しみの銃弾」 監督のギヨーム・カネが自ら出演した作品を英語でリメイクした一本。二時間を超える作品で、その時間分に長さを感じてしまう映画だった。物語のプロットが、どれもほぼ同じ尺で描かれていくために、全体のストーリーのバラン…
アレハンドロ・ホドロフスキー監督23年ぶりの新作、これは全く変態映画だった。物語はサーカスのシーンに始まる。テンポのよい音楽、サイケデリックな色彩、そして登場するのが金髪の少年、ホドロフスキー監督の少年時代の姿である。例によって、シュール…
「ニッポン無責任時代」 映画産業華やかなりし頃の、典型的なプログラムピクチャーですが、特筆するのは、エピソードが、次々と機関銃のようにオーバーラップして駆け抜けていく、ストーリー構成のおもしろさです。たわいのない話で、なにがどうということは…
「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 非常に丁寧に演出され、画面にもこだわった好感の持てる秀作でした。なんといっても、本物のドイツの人気ヴァイオリニストデビッド・ギャレットを主役のパガニーニ役に抜擢したために、演奏シーンがすばらしい。…
「ダイバージェント」 だらだらとした物語に、メリハリのないストーリー展開、しかも二時間半ほどあるのだから、もう参ったというほかない。典型的なB級SF大作の駄作。まぁ、この手のSF映画は、出来不出来かかわらず見に行くのだから、結果として残念だ…
単純に面白い映画でした。めまぐるしいほどにストーリー展開が速いし、非常にシンプルなので、あまりこだわらずに見れる。それに、特に映像に凝ったことをするでもなく、CGシーンも今時なら普通かなという感じの映像でもあるから、繰り返される主人公ケイ…
「眠る男」 非常にクオリティも高いし、画面も実に美しいが、いかんせん、淡々とした物語があるようなないような前衛的な作品で、正直最初から最後まで、眠気が消えることがなかった。映画は、夜の闇に浮かぶ一軒の家、月のように丸い明かりをバックに一人の…
「泥の河」 30年ぶりに見直したが、やはり、初めてみたときと変わらない感動が、じわっと心にしみてくる。本当にこれは名作だなとあらためて思いました。モノクロームでつづる、いわば底辺に近い人々の物語。昭和31年、まだまだ戦争に対する悲哀が世の中…
見逃していた作品を「午前10時の映画祭」でみることができた。ご存じ、ロマン・ポランスキー監督の名作の一本。ジャック・ニコルソン全盛期のサスペンスミステリーである。映画は、警察を辞めて私立探偵をしている主人公ジェイクの事務所で、浮気調査をし…
「私の、息子」 全体に重苦しいほどの心理ドラマでありながら、にじみ出てくる、母の愛、子供の苦悩という、当たり前の心の物語が、ひしひしとこちらに伝わってくる、なかなかの秀作だった。手持ちカメラを中心に、右に左にと人物の会話をとらえていく。それ…
ケネディ大統領狙撃事件から四日間を描くドキュメンタリータッチの人間ドラマ。細かく編集された、緊張感あふれる映像と、実写フィルムを交えた、リアリティの組み合わせがなかなか見事な秀作でした。題名に使われるパークランドというのは、狙撃されたケネ…