くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2009-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「サブウェイ123激突」

ご存知のように、1974年の秀作「サブウェイパニック」のリメイクである。 今回の監督は、トニー・スコット。冒頭のタイトルバックからめまぐるしいほどの細かいカットの連続で、トニー・スコットならではのモダンで、スタイリッシュな映像が爆発する。 …

映画感想「縞模様のパジャマの少年」「色即ぜねれいしょん」

「縞模様のパジャマの少年」 素晴らしい映画に出会いました。物語の展開の見事さ、カメラ演出の素晴らしさ、脚本のうまさ、どれをとっても一級品の傑作でした。 いや、それよりも、これほどストレートな反戦映画に久しぶりに出会った気がします。主人公ブル…

映画感想「女の子ものがたり」

先日、実写版になった「いけちゃんとぼく」の原作者西原理恵子さんの自伝的コミックの映画版。 非常に評判がいいこともあってかなり期待していたのです。そして、期待通り、いい映画でした。「スタンド・バイ・ミー」のような物語は男の子だけの特権かと思っ…

映画感想「20世紀少年 最終章 ぼくらの旗」

壮大な物語の最終章。原作を知る者としてはどういった結末を用意したのか、そしてどういう締めくくりを考えたのかが最大のポイントでした。が、正直、何回ため息をついたか知れない。 前半三分の一を過ぎると、あとクライマックスまでが、ひたすら、今までの…

映画感想「ポー川のひかり」「3時10分、決断のとき」

「ポー川のひかり」 約30年前「木靴の樹」でエルマンノ・オルミ監督を知る。当時、学生だった私はその話題性のみで見に行きました。正直、しんどい映画だったという印象しかありません。 そして、久しぶりにエルマンノ・オルミ監督作品に出会いました。そ…

映画感想「南極料理人」

まるで日記を読んでいるような、そんな日常の世界を垣間見る面白さ、ただ舞台が日本を1000キロも離れた南極の局地、しかも一般に知られているペンギンやアザラシのすむ昭和基地よりはるか奥地のウィルスさえもすまない極寒の地が物語の舞台というのが違う。…

映画感想「96時間」

わずか93分という今の時代中篇といえる作品である。 その93分間がとにかく、ひと時も目を離せないくらいに画面に引き込まれてしまいます。主人公ブライアン(リーアム・ニーソン)が実にいい。今は第一線を退いたかつての政府の特殊工作員。活躍していた時代…

映画感想「HACHI約束の犬」

日本のハチ公物語がアメリカでリメイクされるというのを聞いたときは、かなり軽くいなしたのですが、監督が名匠ラッセ・ハルストレムと聞けば、映画ファンとしては見に行かざるを得ない。それでも、見た人の評判を聞いてから見に行ったので、公開からちょっ…

映画感想「G.I.ジョー」

ノンストップアクションというのはこの映画をいうのでしょうね。 冒頭の導入部が終わって、アクションシーンが始まると、後はもう、ラストのエンディングまでひと時も目を話せないほどにアクションまたアクション、しかもそれも次々と一工夫のある見せ場の連…

映画感想「ナイトミュージアム2」

楽しい映画でした。 第一作は話題作ながらいまひとつ、こじんまりとした印象を受けて、残念な気持ちでしたが、今回の作品は余計な前置きが削れたぶんいきなり本編に引き込んで、なかなかどうして楽しかったです。前半の四分の一あたりまでは、よくできたサス…

映画感想「湖のほとりで」「ココ・シャネル」

「湖のほとりで」 全編、特にテンションがあがるわけでもなく、淡々と進むストーリー展開、抑揚のない台詞回し、静かなカメラワークで、とにかく眠くて大変でした。しかしながら映画は非常によかった。冒頭、1人の少女マルタが母に見送られて学校へ出かける…

映画感想「セントアンナの奇跡」

スパイク・リー監督の最高傑作かもしれない。 第二次大戦中、イタリアで起こった「セントアンナの大虐殺」を背景に描く戦争映画。まったく、スパイク・リー監督のリズム感には毎回うなってしまいます。冒頭のいきなりの郵便局窓口での銃殺シーンに始まり、時…

映画感想「サマーウォーズ」

「時をかける少女」のアニメ版の監督細田守の新作、期待の一本でしたタイトルと場面紹介を交錯させてのハイテンポな導入部は「時をかける少女」同様で、一気に物語の中に引き込んで生きます。このあたりのリズム感は細田監督と脚本奥寺佐渡子のなせる業でし…

映画感想「人生に乾杯!」

痛快というか、爽快というか、見終わって本当にすっきり、ニンマリした映画でした。あらすじを聞くと「俺たちに明日はない!」の老人版であるかのような印象を受けますが、そんなことはありません。 冒頭から、意味ありげな若者たちの出会いの場面に始まり、…

映画感想「アマルフィ女神の報酬」

フジテレビ開局50周年大作、織田裕二主演と、今ひとつ見に行く魅力がなかったのですが、結構面白いという評判に魅かれて、見に行きました。なるほど、評判どおり、なかなかどうして面白い。サスペンスの展開が本当にスピーディで、細かいカットをつなぎ合…

映画感想「サンシャイン・クリーニング」

昨日に引き続き、アメリカで単館公開から口コミで拡大公開されたという「サンシャイン・クリーニング」を見る。 大好きな「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフの一部とキャストが集まり制作した作品であり、非常に小味のきいた秀作でした。題名が似てい…

映画感想「扉をたたく人」

最初4館で公開されたのに、口コミと批評家の絶賛で拡大公開された秀作「扉をたたく人」 期待通りのすばらしい作品でした。そして一方で、いかにまだまだ自分が無知であるのかを思い知らされました。物語を伝えてくるという映画の一つの面白さをまざまざと見…

映画感想「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

いよいよクライマックスである。 そもそもファンタジーで始まったシリーズ。もちろん原作もその類でスタートするのであるが、見る見る大人のサスペンスへと変貌していく。映画においても、同様にファンタジックな子供の物語から徐々にかなりシリアスで暗い物…

映画感想「余命1ヶ月の花嫁」

平凡なお涙頂戴作品ではないという感想が圧倒的に多い。しかも、超ロングラン。当初は見る作品のリストにしていなかったので、かなり迷った末、とうとう最後の週になって見に行きました。なぜか心に残る二時間のドラマでした。評判どおり、単純な泣かせる映…

映画感想「ノウイング」

宣伝フィルムを見たときから、ちょっと期待のSF大作。 アレックス・プロヤス監督は「アイ、ロボット」でそれなりに、評価はできる監督でしたので、まあ、失敗はないだろうと思っていたのですが、なんとも、不完全なB級作品でした。宣伝フィルムにも使われ…

映画感想「それでも恋するバルセロナ」

今までの道徳心とか、男と女の問題とか、恋愛とか、結婚とか、SEXとかに対する固定観念をすべてをハンマーで打ち砕いてスクリーンを見れば、軽快なスペインの音楽を背景に二人の女性、ヴィッキーとクリスティーナが情熱の国スペインのバルセロナに降り立…

映画感想「MWームウー」

日本漫画界の巨人、手塚治虫が描いたサスペンス「MW−ムウー」。脚本は「デスノート」の大石哲也である。冒頭からいきなり「デスノート」の導入シーンを思わせるスリリングな展開から物語が始まる。 タイのとある町で、誘拐事件が起こっている、そしてその…

映画感想「サガンー悲しみよこんにちはー」

学生時代に一時はまったフランソワーズ・サガンの小説。その原作者の半生を描いた作品を見てきました。次々とあふれてくるフランス語、そして短いカットが続くめまぐるしいカットつなぎは、一昔前のフランス映画を思い出させてくれて、それだけでも見た甲斐…

映画感想「ディア・ドクター」

世の中には、免許というものを持っていないとできない仕事がたくさんある。ある意味で勉強をして免許さえ取ればできる仕事がたくさんあるということである。 この映画を見るにあたって、言葉の意味、職業の意味、生、死それぞれの意味、何もかもをただ形だけ…

映画感想「いけちゃんとぼく」

西原理恵子原作の絵本の実写映画版です。 とにかく、いけちゃんというCGで描かれた風船のようなキャラクターが抜群にかわいいのである。 宣伝フィルムを見たときは、単調な面白みのないものに見えていたが、いかんせん、スクリーンでその姿を見ると、とに…

映画感想「愛を読むひと」

ベルンハルト・シュリンク原作の「朗読者」という世界的なベストセラーの映画化作品である。 スティーヴン・ダルドリー監督が描く大人の愛の物語は、まだまだ私にはわかりづらいものがあった。非常によくできたラブストーリーなのですが、今ひとつのめりこめ…

映画感想「トランスフォーマー リベンジ」

第一作もかなりあわただしい展開と、映像だったのですが、今回はそれに輪をかけたようなめまぐるしい作品になっています。映画としては、前作同様、とにかく面白い。それにど派手なロボット対戦の展開はまさに大スクリーン向きの典型的な超大作である。 あれ…

映画感想「剱岳ー点の記ー」

名カメラマン木村大作が描く人間ドラマとして、各界から期待の一本「剱岳ー点の記ー」をみる。非常にまじめ、かつ丁寧な演出が行われているので、ある意味非常に平凡といえば平凡である。しかしながら、そんな想いで見続けていくとやがて、そのリアリティ、…

映画感想「レスラー」

いまや完全に忘れ去られたかのようになってしまったかつてのトップ俳優ミッキー・ローク。 その彼が起死回生の一本として、演じきった一人の年老いたプロレスラー。その話題性だけではなく一本の作品としてもあまりにも完成された人間ドラマに、涙が出るのを…

映画感想「真夏のオリオン」

田中麗奈主演で私の好きな作品「はつ恋」や「山桜」を演出、さらに、秀作「深呼吸の必要」を世に送り出した篠原哲雄監督作品でした。最初、監督を知らずに福井晴敏脚色という名前で、おそらくスリリングな戦争映画だろうと思って見に行ったのですが、そんな…